井原鉄道株式会社

　井原線で使用される車両は、ＩＲＴ355内燃動車(ディーゼルカー)と呼ばれ、一般車両10両とイベント車両の２両の計12両で、平成10年に(株)新潟鐵工所大山工場、平成１７年には特別企画車両”夢　やすらぎ”が新潟トランシス（株）で製作されました。

　一般車両とイベント車両の車体のデザインは、側板はオールステンレス製で、シルバーを基調とし、上部にブルー、下部はフレッシュグリーン、レッド、ラベンダーの３色の識別帯を設けており、青い空、清い川、目にしみる深い緑、静かに漂う自然と歴史の里の表情を見せる景観との調和「より快適なマイレール」を求めるイメージにしています。
室内のデザインは、ホワイトを基調とした化粧版を使用し、座席は落ち着いたブラウン系の味わい深い彩りとなっています。　イベント車両は、座席の背もたれ部分を前後に動かして向きを転換できるクロスシートを採用し、カラオケ用の電源や横引きのカーテンをあしらっており、団体列車として利用されるほか、予備車両も兼ねています。
また、全車両に冷暖房設備が完備し、車いすのスペース及びトイレ(和式)も設けています。

　平成１７年に水戸岡鋭治氏デザインによる特別企画車両”夢　やすらぎ”を導入しました。車体のデザインは、野も山も畑もすべてが茜色に染まる懐かしい原風景の中を、ディーゼルカーが楽しそうに、うれしそうに走る姿を思い浮かべながら田園風景に溶け込んでいく不思議な茜色としました。車内は居間かティールームのような心安らぐ部屋のようであり、暖かい光に包まれて夜の旅も楽しめる移動空間を演出し、身障者・高齢者に配慮したレイアウトとしています。